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Cookieに同意しないとどうなる?同意する危険性も解説

Webブラウジング中に「Cookieに同意しますか?」というメッセージをよく見かけませんか?
Cookie(クッキー)は、Webサイトにアクセスした際に作成されるファイルで、利用者の閲覧履歴などを保存する仕組みのことですが、どのように使われているか知らないという方も多いのではないでしょうか。
Cookieを利用することで、Webブラウジングの利便性が高まる反面、個人情報の流失などのリスクが高まる可能性もあります。
この記事では、Cookieの基本から、受け入れを同意しない場合の問題点、同意することの危険性を解説します。
また、ブラウザの事前設定などCookieの漏洩対策方法についても解説します。

- NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
- WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
- 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
そもそもCookieってなに?

Cookieとは、Webサイトを閲覧したときに、Webサイト側からあなたのパソコンやスマホに保存されるデータファイルのことで、Webサイトの利用履歴や閲覧情報設定などが記録されます。
例えば、オンラインショッピングサイトで商品をカートに入れたり、Webサイトにログインした状態を維持したりするためにCookieが使われています。
また、利用者の趣向にあわせた広告の表示(ターゲティング広告)のためにも利用されてます。
Cookieの同意確認メッセージは、これらの目的で利用することに同意するかしないかを確認するためのものです。

上記は確認メッセージの一例ですが、受け入れるCookieの内容を選択できる場合もありますが、ほとんどの場合はすべて受け入れるか拒否するかの二択になっています。
以前より同意確認のサイトが増えた理由

Cookieの同意確認メッセージが以前より増えたと感じている人も多いと思いますが、近年、Cookieを通じて取得される個人情報の取り扱いに関する法規制が強化されたためです。
日本では、2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、Cookieを含む個人関連情報の取り扱いについて、一定の規制が導入されました。
改正法では、Cookieを第三者に提供して個人情報と紐付ける場合には、利用者本人の同意を得ることが義務付けられています。
つまり、Cookieの使用を放置しておくと、個人情報の流出につながる危険があるということです。
Cookieに同意しないとどうなる?

では、Cookieの使用に同意しないとどうなるのでしょうか。
Cookieに同意しないと、Webサイトの機能が制限されたり、利便性を損なう場合があります。
Webサイトの機能制限
Cookieを受け入れないことで、Webサイトの機能の一部が制限される場合があります。
- オンラインショッピングサイトで商品をカートに入れても、Cookieを拒否していると、カートに入れた商品が消えてしまうことがあります。
- Webサイトにログインしても、Cookieを拒否していると、ログイン状態が維持されず、ページを移動するたびにログインし直す必要があります。
- Webサイトの設定(言語設定や表示設定など)が保存されず、毎回同じ設定をする必要があります。
パーソナライズされた広告表示の制限
Cookieは、利用者の興味や関心に合わせて広告を表示するためにも使われています。
Cookieを拒否すると、パーソナライズされた広告が表示されなくなり、一般的な広告や興味がない広告ばかり表示されるようになります。
Webサイトの表示速度低下
Cookieには、Webサイトの表示を早くするための情報も含まれています。
Cookieを拒否すると、Webサイトの表示速度が遅くなることがあります。
Cookieを拒否するメリットとデメリット
Cookieを拒否(同意しない)場合のメリットとデメリットを整理すると以下のとおりです。
- Webサイトの利用履歴が残らない
- 個人情報が第三者に渡る可能性が低くなる
- 広告表示が減る
- Webサイトの機能が制限される
- ログインや設定が毎回必要になる
- 興味のない広告ばかり表示される
- Webサイトの表示速度が遅くなることがある
Cookieに同意する危険性は?

Cookieは利用者の利便性を高めるものですが、プライバシーに関する注意点もあります。
個人情報が流出ないためにも、Cookieで保存される情報や漏洩のリスクについて正しく理解しておくことが大切です。
Cookieに保存される情報の種類
Cookieには、以下のような情報が保存されます。
- Webサイトの閲覧履歴
- ログイン情報
- ショッピングカートに入れた商品
- IPアドレス
- 端末情報
Cookieによるプライバシー侵害のリスク
Cookieに保存された情報は、Webサイト側だけでなく、広告配信業者などの第三者にも共有されることがあります。
そのため、Cookieに保存された情報から利用者の個人情報が特定されたり、プライバシーを侵害されるリスクがあります。
- Webサイトの閲覧履歴から趣味や嗜好が分析され、意図しないターゲット広告が表示されるようになった。
- IDとパスワードが第三者に漏洩し、不正アクセスされた。
- 発信元のIPアドレスによって位置情報が特定された。
Cookie情報の漏洩対策

信頼できないWebサイトのCookieは拒否する
Cookieの対策として最も大切なのは、信頼できないWebサイトのCookieは拒否するということです。
会員サイトやショッピングなど具体的な目的を持って訪問したWebサイトであれば、まずはその信用性を確認し、信頼性が確認された場合のみCookieを受け入れるようにしてください。
なんとなく訪問したWebサイトであれば、原則CooKieは受け入れないようにしましょう。
ブラウザのCookie設定を見直す
Webブラウザには、Cookieを含めたプライバシー保護に関する設定が備わっています。
ほとんどの場合「プライバシー」や「セキュリティ」というメニューから設定できます。

上記は、Chromeブラウザの「プライバシーとセキュリティ」の設定にある「セーフブラウジング」の設定画面です。
初期設定では「標準保護機能」が選択されていますが、「保護強化機能」を選択することで、プライバシー保護が強化されます。
他のブラウザでも同様の設定ができますので、まずはブラウザの設定を確認し、必要に応じ見直すようにしてください。
不要なCookieを削除する
過去に受け入れたCookieはブラウザの設定から削除することができます。
使用しているブラウザによって設定方法は異なりますが「キャッシュ削除」や「Cookie削除」という設定項目から削除が可能です。
Webサイトを選択して削除できる場合と、一括削除となる場合があります。
トラッキング拒否設定を利用する
広告トラッキングによる自動広告を拒否したい場合は、トラッキング拒否設定を行なってください。

上記は、Chromeの設定画面ですが「Do Not Track」リクエストの送信をONにすることで拒否設定することができます。
ただし、具体的な運用方法はWebサイトによって異なりますので、必ずしもすべてが拒否にならない場合があるので注意が必要です。
VPNを利用する
VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)は、ネット利用時のセキュリティ向上やプライバシー保護を強化するツール(サービス)です。
通信内容が暗号化されるため、万が一通信内容が傍受されても内容が読まれたり、個人情報が漏洩することはありません。
また、本来のIPアドレスが仮想IPアドレスに置き換わるため、Cookie情報から個人が特定されるリスクを軽減することができますし、位置情報がバレる心配もありません。
ただし、VPNでは、Webサイト側が端末にCookieを保存すること自体や、保存された情報を利用することは制限できないので注意してください。


まとめ

今回はCookieの基本から、受け入れを同意しない場合の問題点や同意することの危険性を解説しました。
Cookieは、Webサイトを便利に利用するための技術ですが、プライバシーに関する注意点もあります。
Cookieの受け入れ同意は、メリットとデメリットを理解した上で、ご自身の判断で選択しましょう。
また、ブラウザの事前設定やVPNの活用など、日頃からプライバシー保護に関する高い意識を持つことも忘れないようにしてください。
ぜひこの記事を参考に、Cookieについて理解を深め、安全なWebサイト利用を心がけてください。