iPhoneのIPアドレスを変更する方法|IPアドレスはどんな時に変更すべき?

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インターネット上の住所とも呼ばれるIPアドレス。パソコンをはじめiPhoneなどのモバイルデバイスでインターネットに接続する時は、必ずIPアドレスが利用されます。

普段IPアドレスを意識してネットを利用している人は少ないと思いますが、IPアドレスを変更した方が良い場面も少なからず存在します。

この記事では、IPアドレスを変更した方がいい具体的なシーンや、iPhoneでIPアドレスを変更する方法を詳しく解説します。

本記事ではiPhoneを前提に解説しますが、Androidでも手順自体に大きな違いはありませんので、他のスマホを利用の方も是非参考にしてください。

この記事を書いた人
  • NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
  • WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
  • 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
目次

IPアドレスは2種類ある

IPアドレスにはグローバルIPアドレスと、プライベートIPアドレス(別名ローカルIPアドレス)の2種類があります。

グローバルIPアドレスは、世界にひとつしかないユニークなIPアドレスで、インターネットではこのグローバルIPアドレスが使われます。

一方のプライベートIPアドレスは、企業や家庭内の比較的小さなネットワーク内で使われるIPアドレスで、ネットワークが異なれば重複して利用することができます。

双方とも、4つの数字をドットで区切った形式(IPv4の場合)で表記されますが、プライベートIPアドレスは利用できる範囲が予め決められています。

モバイル回線利用時はグローバルIPアドレスが割り当てられる

iPhoneなどのモバイルデバイスでは、グローバルIPアドレスが自動で割り当てられます。

グローバルIPアドレスは、NTTドコモやauなどのモバイル回線事業者が契約者に割り当てるもので、回線契約をしていないと割り当てされません。

モバイル回線の契約者は、割り当てられたグローバルIPアドレスを使うことで、インターネットを利用できるようになります。

WiFi利用時はプライベートIPアドレスが割り当てられる

iPhoneなどのモバイルデバイスを自宅やフリーWiFiに接続すると、モバイル回線事業者から割り当てられたグローバルIPアドレスのほかに、WiFiネットワーク内で利用するプライベートIPアドレスが割り当てられます。

プライベートIPアドレスは、WiFiのホットスポット(ルーター)が、WiFi接続した端末に自動的に割り当てます。

WiFi接続したモバイルデバイスは、モバイル回線を利用しなくてもWiFiホットスポットを経由することでインターネットが利用できるようになります。

ただし、先程説明したとおり、インターネットを利用する場合はグローバルIPアドレスが必要です。WiFi経由でインターネット接続する場合は、WiFiホットスポットがプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに自動相互変換する仕組みになっています。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの相互変換

IPアドレスを変更した方がいい場面とは?

IPアドレスを変更すべき場面はそう多くありませんが、特定のサービスが受けられない場合や、目的のWebサイトにアクセスできない場合など、IPアドレスを変更することで解決できる問題もあります。

ただし、これらの問題はあくまでもグローバルIPアドレスの変更が必要なため、プライベートIPアドレスを変更しても解決できません。

ここからは、グローバルIPアドレスを前提に、IPアドレスを変更した方がいい具体的な場面やIPアドレスを変更する方法を解説します。

iPhoneのプライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)を変更する方法については、Appleのユーザガイドやご利用のWiFiルータなどのマニュアルをご参照ください。

特定のウェブサイトにアクセスできない

ウェブサイトの中には、特定のアクセスを制限している場合があります。

アクセス元の国や地域による制限や、通信の挙動による制限など内容はサイトによってさまざまですが、これらの制限にはIPアドレスが使われるのが一般的です。

このようなケースでは、グローバルIPアドレスを変更することで解決できることがあります。

一部の動画が視聴できない

AmazonプライムビデオやNetflixなどの動画配信サービスを利用している人も多いと思いますが、一部の動画が視聴できなかったという経験はないでしょうか?

視聴制限
ジオブロックによる警告

これは、ジオブロックによって視聴できる国や地域を制限しているためです。

ジオブロックとは、アクセス元の場所や居住国などの情報に基づいて、ウェブサイトやサービスへのアクセスを制限するための仕組みで、発信元のグローバルIPアドレスによって判断しています。

トラッキング広告を何とかしたい

トラッキング広告とは、利用者の行動を追跡することでさまざまな情報を収集し、ターゲティング広告や効果測定を行う広告のことです。

利用者の趣味嗜好にあった広告が表示されるため、便利な面もありますが、煩わしさを感じることもあります。

広告トラッキングには、主にIPアドレスやCookie(クッキー)などが使用されますが、これらを組み合わせることでより精度の高いターゲティングを行うこともできます。

Cookie(クッキー)は、インターネット上のユーザーの行動を一時的に記録する仕組みで、利用者のブラウザに保存されます。

IPアドレスを変更することで、これらのトラッキング広告に対処できるようになります。

匿名性を高めたい

一般的な利用シーンにおいて、自身のグローバルIPアドレスを第三者に知られることはありませんが、アクセス先のサイトやISP(インターネットサービスプロバイダ)にはログ情報として保存されます。

仮にグローバルIPアドレスを知られたとしても、直ちに危険性が高まったり問題が起こることはありませんが、ある程度の位置情報を知られたり、利用している回線事業者を知られる場合があります。

IPアドレスを意図的に変更できれば、これらのリスクを回避し、匿名性を高めることができます。

グローバルIPアドレスの確認方法

残念ながら、iPhoneの端末からはグローバルIPアドレスを確認できません。

端末で確認できるのはWiFiホットスポットから割り当てられたプライベートIPアドレスのみです。

グローバルIPアドレスを確認するには、専用のWebサイトにアクセスして確認する必要があります。

IPアドレスドットコムを利用すれば、グローバルIPアドレスをはじめ、使用している位置情報や利用している通信事業者も確認できます。

IPアドレスドットコム
IPアドレスドットコムでのIPアドレス確認画面

グローバルIPアドレスを変更する方法

iPhoneのグローバルIPアドレスを変更するには、回線事業者との通信をリフレッシュする方法やVPNを利用する方法などがあります。

どの方法でもグローバルIPアドレスを意図的に変更することができますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

以下に、それぞれの手順とメリット、デメリットを解説します。

回線事業者との通信をリフレッシュする

利用している回線事業者との通信をリフレッシュするには、機内モードをオンオフするのが便利です。

端末の再起動やモバイル通信のオンオフでもリフレッシュされますが、機内モードを利用する方が手間もかからず、簡単にIPアドレスを変更できます。

機内モードとは、Bluetooth以外の無線通信をすべて無効にする機能のことで、回線事業者との通信が一時的に遮断されます。

機内モードをオンにするには、iPhoneの画面右上を下にスワイプし、コントロールセンターを表示させ、飛行機のアイコンをタップします。

オフにするには再度飛行機のアイコンをタップします。これらは、iPhoneの設定からも変更できます。

コントロールセンター画面
コントロールセンターから変更する場合
設定画面
設定から変更する場合

通信のリフレッシュは、手軽にIPアドレスを変更できる方法ですが、ジオブロックの回避や匿名性の向上には効果がありませんので注意してください。

メリットデメリット
手軽にIPアドレスを変更できる
無料で試せる
特定のウェブサイトにアクセスできない時に有効
ジオブロックを回避できない
匿名性の向上にはつながらない
トラッキング広告の抑制効果は限定的
通信リフレッシュのメリットとデメリット

VPNサービスを利用する

VPNとは、本来ネット利用時のセキュリティ向上やプライバシーの保護のためのツールですが、IPアドレスを自由に変更できるツールとしても知られています。

とくにジオブロックを回避して、本来海外でしか視聴できないコンテンツを視聴したり、トラッキングを防止して匿名性を高めるために利用されることもあります。

VPNサービスは、月額数百円から千円程度のサブスクサービスとして提供され、近年は個人向けのVPNサービスが多く登場しています。

国内で利用できるVPNサービスは複数ありますが、どのサービスを利用してもIPアドレスを変更することができます。

ただし、無料VPNサービスの一部では、信頼性が低く個人情報が漏洩する場合もあるため、できれば有料の信頼できるVPNサービスを選ぶようにしてください。

メリットデメリット
匿名性が高まる
ジオブロックを回避できる
特定のウェブサイトにアクセスできない時にも有効
トラッキング広告を抑制できる
ネット利用時のセキュリティが向上する
VPNの申し込みが必要
月額利用料がかかる
アプリのダウンロードが必要
VPN利用のメリットとデメリット

Torブラウザを利用する

IPアドレスを秘匿する方法として、Torブラウザを利用する方法もあります。

Torブラウザを使うと、通信データが複数の中継ノード(ルーターやサーバーなど)を経由するため、利用者のIPアドレスをわかりにくくすることができます。

ただし、あくまでもウェブブラウジングのみに適用されるもので、その他のアプリ利用時には適用されません。

また、匿名性の向上にも限界があり、悪意のあるノードを中継すると個人情報が漏洩したり、不正なウェブサイトへ誘導されるなどのリスクもあります。

利用にあたっては十分な注意が必要です。

メリットデメリット
ある程度の匿名性は確保できる
無料で利用できる
ブラウジングのセキュリティが向上する
ジオブロックを回避できない
アプリのダウンロードが必要
情報漏洩などの危険性がある
不正サイトに誘導される危険がある
Torブラウザのメリットとデメリット

まとめ

まとめ

今回は、IPアドレスを変更すべき場面や、iPhoneでIPアドレスを変更する方法を解説しました。

IPアドレスはインターネット通信に欠かせない識別番号ですが、IPアドレスによって意図せずアクセスが制限されたり、匿名性が低下することもあります。

今回はIPアドレスを変更する3つの方法を紹介しましたが、できればVPNサービスの利用をおすすめします。

専用アプリを使って、自由にIPアドレスが変更できるほか、ジオブロックを回避したり煩わしい広告を排除することができます。

また、すべての通信内容が暗号化されるため、ネット利用時のセキュリティが大幅に向上します。

是非VPNを上手に活用して、安全で快適なネットライフをお楽しみください!

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