X(旧Twitter)でIPアドレスを調べたり個人を特定することはできる?

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X(旧Twitter)でツイートやリプライ投稿のIPアドレスを調べたり、投稿者を特定することはできるの?

X(旧Twitter)では、他の利用者のIPアドレスを調べたり、個人を特定するような機能は提供されていません。

もちろん、直接Xに問い合わせをしても、IPアドレスや個人情報が開示されることはありません。

かといって、絶対に個人が特定されないかというと、そういうわけでもありません。

この記事では、どのような場合に個人が特定されやすいのかや、匿名性を高める秘訣を紹介します。

この記事を書いた人
  • NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
  • WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
  • 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
目次

Xで個人の特定が難しい理由

そもそもXは匿名性が高いサービス

Xは他のSNSツールと比較しても、匿名性が高いサービスです。

電話番号かメールアドレスがあれば、匿名の名前とパスワードのみでアカウントを取得できます。

匿名にはデメリットもありますが、少なくとも匿名なら個人を特定されたり、犯罪などに巻き込まれるリスクは低いといえます。

公開される個人情報は限定的

Xで公開される個人情報は、名前とユーザー名のみです。

電話番号やメールアドレス、利用者のIPアドレスなどは非公開となっています。

項目公開/非公開
名前(匿名可)公開
ユーザー名公開
パスワード非公開
電話番号非公開
メールアドレス非公開
生年月日設定可能
IPアドレス非公開
X(旧Twitter)で公開される情報

厳格なプライバシーポリシーがある

Xには厳格なプライバシーポリシーが定められています。

プライバシーポリシーは、 企業がウェブサイトなどを使って収集した個人情報を、どう扱うのかなどを定めた規範のことで、個別に設定されている場合もあれば、利用規約の一部として記載している場合もあります。

Xのプライバシーポリシーでは、利用者のどのような情報を収集し、どのように使われているかが明確に定められています。

詳細は割愛しますが、主に以下の内容について記載されています。

  • どのような情報を収集するのか
  • どのような場合に情報を開示するのか
  • 誰に情報を共有するのか

どういう場合に個人が特定されやすいのか

名前を匿名にしているからといって、個人が特定されないわけではありません。

以下に、個人が特定されやすいケースを紹介します。

プロフィールに個人を推測できる情報が含まれている

プロフィール画像やプロフィール内容にも、個人を推測できる情報が含まれている場合があります。

プロフィール画像をペットの写真にしている人をよく見かけますが、特徴のあるペットであれば、誰のペットかがわかってしまうことがあります。

また、プロフィールに出身校や経歴などを掲載している場合、その他の情報と紐づけることで個人が特定しやすくなります。

ほかにも、生年月日を公表したり、URLリンクを設定していると個人が特定されやすくなります。

個人が特定されやすいプロフィール情報
  • プロフィール画像
  • 出身校や経歴
  • 生年月日
  • URLリンク

投稿に地域が特定できる情報が含まれている

何気ない投稿の中に、地域がわかってしまう情報が含まれている場合があります。例えば、

ヤバい!電車の人身事故で遅刻しそう!

などの何気ない投稿からも、利用している路線名や最寄駅が類推されてしまいます。

ひとつの投稿だけではわからなくても、過去の投稿とつなぎあわせることで、日頃の生活圏や行動パターンを知られてしまう可能性は高くなります。

DMに個人がわかる情報を記載している

Xには、個人間でメッセージをやりとりするDM(ダイレクトメッセージ)機能があります。

設定にもよりますが、見ず知らずの人からメッセージが届く場合もあります。

私もXをはじめて間もない頃は、知らない人から以下のようなメッセージが数多く届きました。

通常の投稿時は注意していても、DMだとつい気が緩んでしまい、個人を特定しやすい情報を送ってしまうことがあります。

プライバシー設定が甘い

Xには、プライバシーやセキュリティの設定をカスタマイズする機能があります。

これらの設定が適切に行われていないと、意図せず個人が特定されてしまうことがあります。

Xでカスタマイズ可能な主なプライバシー設定
  • 電話番号との照合
  • 画像のタグ付け
  • DMの許可範囲
  • 位置情報の収集
  • 生年月日の公開範囲
  • 2要素認証の有無

アカウント情報が漏洩する

安易なパスワードを設定していたり、暗号化されていないフリーWiFiなどを利用すると、アカウント情報が漏洩する危険性が高くなります。

アカウント情報が漏洩すると、メールアドレスや電話番号などの個人情報が漏洩するばかりか、アカウント乗っ取りの被害に遭う可能性もあります。

情報開示請求があった場合

情報開示請求とは、SNSやネット掲示板などインターネット上で誹謗中傷などの書き込みをした人の情報を開示請求するための手続きで、弁護士を通して行うのが一般的です。

ほとんどの人は無縁かと思いますが、知らず知らずのうちに誹謗中傷的な内容を投稿することで、開示請求を受けてしまう場合もあります。

情報開示請求を受けると、否が応でも個人情報が開示されてしまいます。

Xのプライバシーポリシーにも、情報開示に関する内容が明記されています。

当社は、以下の事由のため当社が合理的に必要と考える場合、ユーザーの情報を保存、利用、共有または開示することがあります。

  • 法律、規則、法的手続、または政府の要請に従うため
  • 個人の安全保護、当社のプラットフォームの安全性または完全性の保護のため(当社のサービスにおけるスパム、乱用、または悪意のある行為者の防止に役立てることを含みます)
  • コンテンツまたはアカウントを当社のサービスから削除した理由(当社のルールの違反等)を説明するため
  • 詐欺、セキュリティ、または技術的問題に対処するため
  • 当社の権利もしくは財産、または当社サービスのユーザーの権利もしくは財産を保護するため
Xプライバシーポリシー 3.3 危害の防止または公共の利益のため法律が定める場合

Xの匿名性を高める秘訣

プロフィール内容を見直す

まずは、プロフィールに個人を推測しやすい内容が記載されていないか再確認してみましょう。

出身校と生年月日、経歴とプロフィール画像など、いくつかの情報を組み合わせることでより個人を特定しやすくなる場合もあります。

問題があれば、すみやかに見直すようにしましょう。

位置情報がわかる投稿をしない

投稿する際は、位置情報がわかる内容が含まれていないかチェックするようにしましょう。

地域限定の情報や、特徴のある風景写真などは要注意です。

位置情報は、個人を特定するための格好の材料となることを忘れないようにしましょう。

適正なプライバシー設定を行う

プライバシーやセキュリティの設定は、「設定とプライバシー」から行います。

設定項目は多いですが、利用スタイルに応じた適切な設定を心がけましょう。

Xのプライバシー設定画面
Xのプライバシー設定画面

安易にDMに返信しない

すべての利用者からのDMを許可している場合や、Xを利用して間もない期間は、不特定多数の人からDMが届くことがあります。

もちろん、あなたのプロフィールや投稿に関心を持った人からのコンタクトもありますが、個人情報の搾取や、商材やサービスの販売など悪意を持った人からのメッセージもたくさんあります。

このような悪意のあるDMに安易に返信すると、個人が特定されたり、詐欺などの犯罪に巻き込まれることもあります。

見知らぬ人からのDMには、安易に返信しないようにしましょう。

強固なパスワードに変更する

ログインパスワードが短かったり、類推されやすい場合は、強固なパスワードに変更してください。

また、SMSや認証アプリなどを使った2要素認証を使うのも有効です。

VPNでさらに匿名性を高めよう

Xの匿名性をさらに高めるなら、VPNの利用がおすすめです。

VPNなら、ネット利用時の通信内容を暗号化し、セキュリティやプライバシーを強力に保護してくれます。

また、IPアドレスを仮想IPアドレスに置き換えることで、本来のIPアドレスを隠秘することもでき、X社にも本来のIPアドレスを知られることがありません。

最近では個人で利用できるVPNサービスが数多く登場しており、利用スタイルに応じたサービスを選ぶことができます。

VPNの利用にあたっては、信頼性の高いサービスを選ぶことが大切です。

まとめ

まとめ

Xは匿名性が高いサービスのため、比較的安全に自由な情報発信が可能です。

とはいえ、不適切な設定や使い方のまま利用すると、個人が特定されるリスクもあります。

また、誹謗中傷など匿名がゆえの問題点や危険性もあるため、利用にあたっては十分な対策と慎重な対応が求められます。

Xに限らずですが、ネットにはその利便性と裏腹に潜在的なリスクも存在します。

ネットのセキュリティやプライバシーは自分で守るという意識で、これからも安全で快適なネットライフをお楽しみください。

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