個人でVPNを利用する必要性とは?メリットやできることを徹底解説

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最近は個人でもVPNを利用する人が多いみたいだけど、どんなメリットがあるの?VPNを使うと何ができるの?

これまでは、おもに企業のネットワークセキュリティツールとして使われてきたVPNですが、近年では個人で利用する人が増えています。

これは、SNSやネットショッピングなどのネットサービスが生活に欠かせないツールとなった一方で、個人情報の漏洩やフィッシング詐欺などの危険性が高まっているためです。

この記事では、個人でVPNを利用する必要性や、VPNサービスのメリット、活用法などを詳しく解説します。

この記事を書いた人
  • NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
  • WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
  • 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
目次

個人でVPNを利用する必要性

安全性

法務省が公開している令和4年版犯罪白書によると、令和3年の不正アクセスなどのサイバー犯罪件数は、平成14年の10倍近くに増加しています。

サイバー犯罪件数の推移
元データ:法務省「令和4年版犯罪白書」より

とくにクレジットカード情報など個人情報の漏洩や、アカウントの乗っ取りフィッシング詐欺などによる被害は個人レベルにまで広く拡大しています。

これらの犯罪リスクを回避してくれるのが、個人向けのVPNサービスです。

個人向けVPNサービスとは

VPNサービス

個人向けVPNサービスは、ネット利用時のセキュリティリスクを回避してくれる頼もしいツールです。

PCやスマホに専用アプリをインストールし、専用のサーバーに接続することでネット利用時のプライバシーを確保し、セキュリティを向上してくれます。

VPNとは、バーチャルプライベートネットワークの略称で、あたかもプライベートなネットワークをインターネット上に仮想的に構築する仕組みです。

VPNアプリとVPNサーバーとの間で仮想的な通信経路を作ることで、安全な通信を行うことができます。

VPNを利用すれば、SNSをはじめ、ネットショッピングやネットバンキングなどのサービスを安心して利用できるようになります。

VPNサービス利用イメージ
VPNサービスの利用イメージ

VPNサービス事業者は世界各国に専用サーバーを設置し、利用者の通信データを暗号化・トンネリングすることでセキュリティを確保しています。

個人向けVPNサービスのメリット

VPNサービスは、これまで企業ネットワークのセキュリティ向上のためのツールとして活用されてきましたが、ライフスタイルの変化や、在宅ワークなど働く環境の変化にともない、個人レベルでも利用されるようになりました。

ここでは、VPNサービスを利用するメリットを紹介します。

個人向けVPNサービスのメリット
  • ネット利用時のプライバシー確保
  • セキュリティの向上
  • 匿名性の確保
  • 安価な利用料金

ネット利用時のプライバシーの確保

個人向けVPNサービスの最大のメリットは、ネット利用時のプライバシーが確保されるという点です。

VPNのトンネリング技術を使って通信するデータを暗号化し、盗聴やデータの傍受から大切な個人情報を守ります。

これは、ネットショッピングをはじめ、ネットバンキング、個人情報の送信など、プライバシーが特に重要な利用シーンで大きなアドバンテージとなります。

VPNで通信することで、クレジットカード情報などの個人情報が安全に保護され、最大限プライバシーが守られます。

トンネリング技術とは、ネットワーク上の2点間を仮想的な回線(トンネル)で結ぶ技術のこと。

セキュリティの向上

個人向けVPNサービスは、ネット利用時のセキュリティ向上にも役立ちます。

VPNを使用することで通信データが暗号化され、第三者からの不正アクセスや盗聴を防ぐことができます。

特に、リモートワークやネットバンキングなどを利用する際には重要なポイントとなります。

これからの時代は、自宅のセキュリティ同様、ネット利用時のセキュリティも自分で守る時代なのです。

匿名性の確保

VPNを利用すれば、本来のIPアドレスを隠すことができます。

通常、インターネットの住所でもあるIPアドレスは簡単に追跡されてしまいますが、VPNを使って通信すれば、利用者の場所を特定することが難しくなります。

これは、匿名でインターネットを利用したい人にとっては重要な役割となります。

VPNサービスは、匿名性を確保する上でも有効なツールです。

安価な利用料金

企業がVPNサービスを利用するとなると、利用形態や規模にもよりますが、最低でも数千円から数万円の月額利用料がかかります。

しかし、個人向けのVPNサービスなら月額500円程度から利用することができます。

個人向けVPNサービスは、ネット利用時の安全性をワンコインで確保できる財布にもやさしいサービスです。

個人向けVPNサービスでできること

個人向けVPNサービスは、セキュリティ向上やプライバシー保護のほかにもさまざまな活用法があります。

ここでは、個人向けVPNサービスでできることを紹介します。

海外限定の動画サービスを視聴する

動画配信サービスで有名なNetflixやAmazonプライムなどは、海外限定の作品も多く、日本からの視聴に制限がかかっている場合があります。

動画閲覧の際に以下のようなメッセージが表示されたことはありませんか?

視聴制限

これは、ジオブロックといって日本での動画閲覧に制限がかかっているためです。

VPNを使用すれば接続先を異なる国や地域に設定できるので、地理的なブロックを回避し、世界各国のコンテンツが視聴できるようになります。

地域制限を回避できる動画サービスには、以下のようなものがあります。

NetflixNetflixは地域ごとにコンテンツが異なり、特定の映画やテレビ番組が制限されています。VPNを使用することで、異なる国のNetflixライブラリにアクセスできます。
AmazonプライムビデオAmazon Prime Videoも地域制限がありますが、VPNを使用すれば世界中のコンテンツにアクセスできます。異なる地域の映画やシリーズを視聴できます。
HuluHuluは米国内での利用が主要な制約となっています。VPNを使用して米国外からアクセスすることができます。
ディズニープラスDisney+は地域によって提供されるコンテンツが異なり、VPNを使用することで他の地域のDisney+にアクセスできます。
地域制限を回避できる代表的なサービス

すでに多くの人が、海外限定のコンテンツを視聴するためにVPNを利用しています。

海外から日本の動画配信サービスを視聴する

VPNを利用すれば、海外から日本のサーバーにアクセスして、日本限定のコンテンツを視聴することもできます。

海外在住の方はもちろん、海外出張や海外旅行時でもアクセス可能です。

海外から利用できる代表的な動画サービス
  • Tver
  • DMM
  • ABEMA
  • U-NEXT
  • ニコニコ動画
  • 楽天viki

※利用するVPNサービスによって、視聴できない動画サービスもあります。

ネット検閲を回避できる

日本ではあまり馴染みのないネット検閲ですが、中国やロシアなどの一部の国ではインターネット利用が制限されていたり、検閲されていることがあります。

これは、政府に都合が悪い情報拡散を防いだり、世界の公式情報に対する抗議を抑制するためです。

VPNを利用すれば、これらの規制や検閲を回避することができます。

とくに規制が厳しい中国からも、日本のSNSを利用したり、日本の動画サービスを視聴できるようになります。

安全なフリーWiFiの利用

駅構内や空港、ショッピングモールなどさまざまな場所で利用できるフリーWiFiですが、自宅のWiFiと比べるとどうしてもセキュリティが弱くなります。

悪意のある第三者が、同じWiFiを利用する他人の通信データにアクセスすると、簡単に個人情報が盗まれてしまいます。

VPNを使用すれば、フリーWiFiネットワークの利用時でも通信データは暗号化され、セキュリティが確保されます。

このように、危険が多いとされるフリーWi-Fi利用時でも、セキュアなインターネット接続が可能になります。

ネットバンキングでの安全な取り引き

オンライン送金や、入出金管理などでネットバンキングを利用している人も多いと思います。

しかし、ネットバンキングは、大切な金融資産を管理する上でさまざまなセキュリティリスクがあります。

VPNは、ネットバンキング利用時の安全性を確保する強力なツールにもなります。

特に、宿泊先のホテルや空港などのフリーWiFiを利用する際には、その威力を発揮します。

リモートワークでの活用

VPNサービスを利用すると、会社や従業員間でのデータのやりとりは、VPNネットワークで安全に行われるため、機密情報などが外部に流出するリスクを低減することができます。

また、VPNから端末へのデータのダウンロードを制限すれば、リモートワークであっても企業内の情報がそのまま外部に転送されることがなくなります。

現在のリモートワークの環境に不安がある方や、日ごろから機密情報をやりとりすることが多い場合は、VPNサービスの導入を検討すべきかもしれません。

【裏技】海外サブスクサービスで利用料を節約

今やサブスクサービスを利用していない人はいないくらい、日本でもサブスクサービスは生活に欠かせないツールとなっています。

  • Youtubeプレミアム
  • NetFlix
  • Amazonプライム
  • Hulu
  • Apple Music

など挙げたらキリがありませんが、VPNを利用すれば、これらのサブスクサービスを安く利用できる場合があります。

同じサブスクサービスであっても、国によって利用料が異なります。例えば、Netflixのベーシックプランの場合、日本では月額990円ですが、パキスタンでは230円程度で利用できます。

安価な国のVPNサーバーを経由でサブスクサービスを申し込めば、利用料を節約することも可能です。

海外のサブスクサービスを利用すること自体は違法ではありませんが、利用規約に反する場合がありますので、利用規約は必ず確認するようにしましょう。
また、日本のクレジットカードが使えない場合や為替の影響で料金が変動することもありますので注意しましょう。

VPNサービスの利用手順

VPNサービスを個人で利用するための一般的な手順を紹介します。

STEP
VPNサービスの申し込み

ご自身の利用スタイルや環境にあわせて最適なVPNサービスを申し込みましょう。

VPNサービスの選び方や、おすすめサービスは下記の記事を参考にしてください。

STEP
VPNアプリのダウンロード

VPNサービス事業者から提供されるアプリを、利用するデバイスにインストールします。

STEP
VPNサーバーの選択

VPNアプリを起動し、接続したいロケーション(国)のサーバーを選択します。
多くのVPNアプリでは、複数のサーバーロケーションの中から最適な接続先を選択できます。

STEP
VPNサーバーに接続

選択したサーバーに接続します。
接続後は通信データがVPN経由で転送されるようになります。

STEP
安全で快適なネット利用

ネットの利用方法はVPN利用前と同じなので、これまでどおりの方法で、Webブラウジングや動画などのコンテンツを楽しむことができます。

まとめ

今回の記事では、個人向けVPNサービスのメリットや活用法を紹介しました。

個人向けVPNサービスは、セキュリティの向上とオンラインプライバシーや匿名性を確保するための強力なツールです。

また、動画配信サービスの地域制限を回避したり、フリーWiFiやリモートワークでの活用での活用などさまざまな使い方ができます。

是非VPNサービスを活用して、安全で快適なネットライフをはじめてみてはいかがでしょうか。

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