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VPNの速度が遅い理由と対処法をわかりやすく解説
VPNを利用し始めてから、なんとなく通信速度が遅くなった気がするんだけど…
ネットの通信速度が遅くなれば、コンテンツ視聴の快適性が損なわれたり、リモートワークなど作業効率の低下につながります。
今回の記事では、そもそもVPNを利用すると通信速度が遅くなる理由と、考えられる原因を説明します。
また、速度アップのための方法もわかりやすく解説します。
VPNをはじめようか検討中の方や、実際に速度低下でお悩みの方には必見の内容です。
- NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
- WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
- 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
そもそもVPNが遅くなる理由
VPNは通信データを暗号化してセキュリティを提供するため、通常のインターネット接続よりも少し通信速度が遅くなる傾向があります。
ただし、体感で感じられるほどの速度低下はなく、許容範囲内である場合がほとんどです。
以下は、速度測定サイトのFast.comを利用して、下記の条件下でVPNの接続前と接続後の速度を測定した結果です。
- VPNサービス:MillenVPN
- 利用デバイス:iPhone12 mini(iOS16.6.1)
- 利用回線:Docomo 4G接続時
- 測定時間帯:6時−7時
左がVPN接続前で、右が接続後です。
VPN接続前は40Mbpsだったのに対し、接続後は32Mbpsと20%の速度ダウンになっています。
日や時間帯を変えて測定しても、概ね2割程度の速度低下でした。
この程度の速度低下なら、Webブラウジングやストリーミング動画視聴時にはほとんど影響は感じられませんが、50%以下になるような場合は、体感的にもハッキリわかると思います。
速度低下につながる原因
VPN利用時で2割程度の速度低下ならあまり問題ありませんが、著しい速度低下がみられる場合は何らかの対処が必要です。
では、どのような原因で速度低下が起こるのでしょうか。
以下に、速度低下につながる原因をピックアップします。
VPNサービスの選択
利用するVPNサービスによって通信速度は変わってきます。
しかし、通信速度や速度低下率を公表しているサービス事業者はほとんどありませんので、評判や口コミを参考に、できるだけ高品質のVPNサービスを選択することが大切です。
VPNサービスの選び方は、下記の記事を参考にしてください。
接続するサーバー
接続するVPNサーバーが、物理的に遠い場所にある場合、通信の遅延が発生する場合があります。
また、接続するサーバーにつながる回線帯域が狭い場合も、速度の低下を招きます。
暗号化方式
必要以上に高度な暗号化方式を採用している場合、通信が遅くなることがあります。
多くのVPNサービスでは、非常に強固でセキュリティレベルが高いAES-256という暗号化方式を採用しています。
暗号化の実装方法にもよりますが、AES-256は高速な暗号化アルゴリズムのひとつで、問題になることは少ないでしょう。
- MillenVPN
- ExpressVPN
- NordVPN
- CyberGhost
- Surfshark
暗号化方式を任意で変更することはできませんので、VPNサービスを申し込む前に採用している暗号化方式を確認しておくようにしましょう。
使用プロトコル
使用しているVPNプロトコルによって速度が異なります。
一部のプロトコルはセキュリティを強化しているため、速度が遅くなることがあります。
以下に、プロトコルの特徴をまとめます。
OpenVPN | OpenVPNはセキュリティに優れたオープンソースのVPNプロトコルで、速度は中程度で、セキュリティを重視する場合に適しています。 |
L2TP/IPsec | L2TP/IPsecは以前から使用されているVPNプロトコルで、セキュリティは高いですが、速度は他のプロトコルに比べて遅いことがあります。 |
IKEv2/IPsec | IKEv2/IPsecはスマホなどのモバイルデバイスに最適で、速度とセキュリティのバランスが取れているVPNプロトコルです。 |
WireGuard | WireGuardは比較的新しいVPNプロトコルで、高速な性能で知られています。シンプルで効率的な設計により、速度が速く、リソース消費も少ないです。 |
ネット回線
ネット回線そのものによる影響は、VPNとは直接関係ありませんが、速度が遅くなる一番の要因です。
自宅やオフィスのネット回線やルータに問題がある場合、VPN接続の速度に影響を与えることがあります。
VPNを疑う前に、ネットワークそのものに原因がないか考えることも重要です。
利用時間帯
特定の時間帯に、たくさんの利用者がVPNを利用すると、VPNサーバーへのアクセスが混雑し、通信速度が低下することがあります。
通常、ピーク時(例: 昼間や夕方)に速度低下が起こりやすくなります。
速度アップのための対処法
より快適にVPNを利用するために、通信速度アップのための対処法を紹介します。
対処法は、原因によって異なりますので、先に紹介した原因で疑わしい項目から優先的におこなうようにしてください。
近くのサーバーを選択
VPNサービスは、世界各国の多くの場所にサーバーを設置しています。
物理的に近いサーバーを選択すると、通信の遅延が少なくなります。
通常、VPNアプリではサーバーのリストが表示されており、任意のサーバーを手動で選択できます。
下記の例は、MillenVPNアプリのサーバー接続先一覧画面です。
日本で利用する場合は、香港や韓国、台湾など比較的近い国を選択してみるのがいいでしょう。
高速なプロトコルを選択
VPNアプリでは通常、いくつかの暗号化プロトコルをサポートしています。
速度を重視する場合、WireGuardなどの高速なプロトコルを選択してみるのもおすすめです。
下記は、MillenVPNアプリ(iOS)の設定画面です。IKEv2とIPSecの切り替えが可能となっています。
選択可否や、選択可能なプロトコルは、利用しているVPNサービスや、デバイスによっても違います。
アプリのアップデート
VPNアプリは定期的に更新されます。最新バージョンを利用することで、速度向上やセキュリティの改善が期待できます。
アプリのバージョンアップ方法は、利用するVPNサービスの公式サイトで確認してください。
ネット環境の見直し
VPNサービスを利用する以前の問題ですが、ネット回線をはじめとしたネット環境に原因がある場合は、それらのメンテナンスが必要になります。
具体的な方法としては、以下のものがあります。
- ルータの再起動
- ウィルスチェックソフトの設定変更
- 古いルーターの買い替え
- パソコンやスマホの再起動
- 古いデバイスの買い替え
- 光回線やモバイルキャリアのサービス乗り換え
ネット環境の見直しは、簡単にできるものから対応が難しいものまであります。簡単にできるものから試し、対応が難しいデバイスの買い替えや、キャリアの変更は慎重におこなうようにしましょう。
VPNサービスの変更
もし、上記対策をおこなっても改善がみられない場合は、VPNサービスそのものの変更も検討しましょう。
どのVPNサービスを選択するかによって、通信速度は異なりますが、通信速度に影響するサーバーの仕様や帯域の情報はブラックボックスになっています。
実際に使用してから気づくこともありますので、返金保証などをうまく活用しながら、必要があれば他のVPNサービスに乗り換えることも考えましょう。
通信速度に定評があるVPNサービス
通信速度を公表しているVPNサービスは多くはありませんが、公式サイトや口コミなどを参考に、一定の通信速度が期待できるサービスを紹介します。
MillenVPN
日本企業が運営しており、通信速度には高い評価があります。
\30日間返金保証で安心/
Surfshark
Wireguardプトロコルにアップグレードしたことにより、回線速度が2倍以上速くなったようです。
\30日間返金保証で安心/
NordVPN
NordLynxと呼ばれる新しいプロトコルのおかげで、通信速度が大幅に向上しているようです。
\30日間返金保証で安心/
いずれのサービスも30日間の返金保証があります。万が一思うような速度が出ない場合には、保証期間内であれば無料で解約することができます。
なお、各VPNサービスの詳細については、下記の記事で解説していますのであわせてご覧ください。
まとめ
VPNの速度を向上させるためには、最適な設定やサービスを選択することが重要です。
また、速度の問題が一時的なものか、恒久的なものかを見極めることも大切です。
あらゆる方法を試行錯誤しながら、快適なVPNライフを満喫できるようにしましょう。