iCloudのプライベートリレー機能とは?VPNと何が違うの?

プライベートリレー

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iCloudのプライベートリレー機能って何?どんな時に使うの?VPNと似てるけど何が違うの?

iCloudプライベートリレーは、Webブラウジングのプライバシーを守ってくれるアップル独自のセキュリティ機能です。

iCloud+(プラス)の利用者であれば無料で利用できます。

この記事では、iCloudのプライベートリレー機能の概要や利用するメリット、VPNとの違いなどについてわかりやすく解説します。

目次

プライベートリレーとは?

プライベートリレー機能の役割

プライベートリレーは、Webブラウジングのプライバシーを保護するために設計、開発された機能で、iOS15から搭載されています。

Safariブラウザの使いやすさを損ねることなく、これまでどおりの使い方でWebブラウジングを安全に利用できます。

プライベートリレーの仕組み

通常Webブラウザを使ってサイトを閲覧する場合、接続先のWEBサイトの情報(URL)や発信元のIPアドレスがそのまま送信されます。

しかし、プライベートリレーを有効にすると、まず接続先のURL情報が端末側で暗号化され、発信元のIPアドレスとセットでiCloudに送信されます。

次に、iCloud側で発信元のIPアドレスが暗号化され、提携している別のプロキシサーバーに送信されます。

最後に、プロキシサーバー側で暗号化されたURL情報を復号化し、接続先のWEBサイトにアクセスします。

この際、元のIPアドレスは仮想のIPアドレスに置き換わります

iCloudプライベートリレーの仕組み
iCloudプライベートリレーの仕組み

このリレーの仕組みによって、Web閲覧時のプライバシーや匿名性を高めています。

プライベートリレーを使うメリット

プライバシーが守られる

プライベートリレーを使う最大のメリットは、Web閲覧時のプライバシーが守られるということです。

どのサイトを閲覧したかわからなくなるので、無用な広告トラッキングなどを防止することができます。

広告トラッキングとは、Cookieなどを使ってターゲティング広告や効果測定を目的に接続先のWEBサイトの情報を収集すること。個人を特定せずにデータ分析することが多いが、悪用される場合もある。

匿名性が高まる

プライベートリレーを有効にすると、Web閲覧時の匿名性も高まります。

接続先のURL情報に加え、発信元のIPアドレスも隠匿されるため、接続先のサイトは誰がアクセスしてきたか特定できません。

一般的な利用シーンで、IPアドレスがわかってしまうことの危険性はそう多くはありませんが、ある程度の位置情報が特定されるリスクはあります。

プライベートリレーなら、そのリスクすら回避できます。

プライベートリレーの利用料金

プライベートリレーは、Appleのサブスクサービス iCloud+の利用者なら、追加料金無しで利用できます。

iCloud+の月額料金は、利用できるストレージ容量によって異なります。

  • iCloud+ 50GB 月額¥130(税込)
  • iCloud+ 200GB 月額¥400(税込)
  • iCloud+ 2TB 月額¥1,300(税込)
  • iCloud+ 6TB 月額¥3,900(税込)
  • iCloud+ 12TB 月額¥7,900(税込)

プライベートリレーの注意点

SNSなど他のアプリでは機能しない

プライベートリレーは、 Safariでのみ使える機能で、ほかのアプリでは機能しません。

LINEやInstagramなどのSNSや、Netflixなどの動画ストリーミングアプリでは、プライベートリレー機能がオンになっていてもプライバシーは保護されません。

また、ChromeやFirefoxなどSafari以外のブラウザアプリでも、プライベートリレー機能は使えません。

使えないサイトやサービスがある

一部の国や地域では、プライベートリレーによるアクセスを制限している場合があります。

また、国内のサイトやサービスであっても、プライベートリレーを有効にするとアクセスできなくなるケースもあります。

これは、IPフィイルタリングによって匿名アクセスを規制しているためです。

それだけ高い匿名性を実現できることの裏返しでもありますが、プライベートリレーを利用する際は、この点にも注意が必要です。

iPhoneでプライベートリレーをオンにするには?

iCloud設定でプライベートリレーを有効にする

iPhoneでプラーベートリレーを利用するには、設定アプリから以下の手順でプラーベートリレー機能を有効にします。

STEP
AppleIDの登録名をタップ

iPhoneの設定画面の最上部にあるAppleIDの登録名をタップします。

STEP
iCloudをタップ

iCloudをタップします。

STEP
プライベートリレーをタップ

プライベートリレーをタップします。

STEP
プライベートリレーを有効化

プライベートリレーの機能を有効にします。

STEP
位置情報を変更

よりプライバシーを強化する場合は、IPアドレス位置情報をタップし、「国と時間帯を使用」を選択します。

「おおよその位置情報を保持」を選択すると、ある程度までの住所が特定される場合があります。

プライベートリレーが動作しているか確認する

プライベートリレーを有効にし、SafariからWebサイトにアクセスするとIPアドレスや位置情報が変わっていることがわかります。

下記はIPアドレスドットコムにアクセスして、IPアドレスや位置情報を確認した画面ですが、サービスプロバイダーがiCloud Private Relayとなっています。

IPアドレスも本来のIPアドレスではなく、別のIPアドレスになっており、ロケーションもまったく別の場所(この場合は群馬県前橋市)になっています。

プライベートリレーとVPNは何が違う?

iCloudのプライベートリレーと一般的なVPNサービスは、プライバシー保護という点では同じですが、その仕組みや適用範囲は大きく異なります。

プライベートリレーが、Webブラウジングでのみ効果を発揮するのに対し、VPNはすべてのインターネット通信でプラーバシーが保護されます。

また、ジオブロック(地域制限)の回避もプライベートリレーでは限定的なものとなります。

ジオブロック(地域制限)とは、居住地によってインターネットのアクセスを制限する仕組みのことで、発信元のIPアドレスなどで制御される。

プラーベートリレーVPN
IPアドレスの隠匿
Webブラウジングのみ

すべての通信
通信の暗号化
Webブラウジングのみ

すべての通信
ジオブロックの回避
プライベートリレーとVPNとの比較

地域制限の回避や匿名性を高めるならVPNを活用しよう!

iCloudのプライベートリレーは、プライバシー保護に有効なツールですが、その効果は限定的です。

すべてのネット通信をより安全で快適に楽しむのなら、VPNの活用をおすすめします。

VPNなら、ジオブロック(地域制限)を回避して海外限定のコンテンツにアクセスすることができ、アクティビティ(行動履歴)を追跡されるようなこともありません。

最近では、個人向けのVPNサービスもたくさん登場しており、さまざまなセキュリティ機能が搭載されています。

月額数百円程度から利用できるサブスク型のサービスのため、エントリーユーザの方でも手軽に利用できます。

個人向けのVPNサービスのメリットやおすすめVPNサービスは、下記の記事でまとめています。是非参考にしてください。

まとめ

まとめ

今回は、iCloudのプライベートリレー機能の概要やメリット、VPNとの違いなどについて解説しました。

プライベートリレーは、手軽に利用できるセキュリティツールです。iCloud+の利用者であれば使ってみる価値は十分にあるでしょう。

ただし、その仕組みや注意点なども理解し、効果を過信しないことも大切です。

インターネットが生活インフラとなった現在、ネット利用時のセキュリティは自分で守る時代です。

ぜひ利用スタイルにあったセキュリティツールで、安全快適なネットライフをお楽しみください。

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