VPN接続するとIPアドレスはどうなるの?仕組みやメリットを解説!
VPNに接続するとIPアドレスが変わるって聞いたけどホント!?IPアドレスが変わるとどんなメリットがあるの?
VPNに接続すると、本来のIPアドレスとは別に仮想IPアドレスと呼ばれるまったく別のIPアドレスが割り当てられます。
その結果、本来のIPアドレスが隠秘され、個人や位置情報が特定されにくくなります。
また、IPアドレスによるジオブロック(地域閲覧制限)も回避でき、海外コンテンツへのアクセスも容易になります。
この記事では、VPN接続時のIPアドレスの仕組みや、IPアドレスが変わるメリットをわかりやすく解説します。
- NTT西日本でMacのサーバ構築やネットワークSEを歴任
- WiFiやセキュリティを活用したネットワークソリューションが専門
- 現在は情報通信関連の研究機関に従事する傍らブログを執筆中
そもそもIPアドレスの役割とは?
IPアドレスは、パソコンやスマホなどネットワークを利用する機器に割り当てられるインターネット上の住所のようなものです。
IPアドレスがないと、誰にデータを送っていいかわかりませんし、誰に返信していいかもわかりません。
インターネットで通信を行う際は、通信データに発信元のIPアドレスと宛先のIPアドレスが自動的に付加されるようになっています。
IPアドレスの表記方法
IPアドレスの形式は、1〜254の数字(8ビット)をドットで区切った4つの区分(32ビット)で表記されます。
一番左の数字は国のようなもので、大きな地域を特定するために使われます。
右に行くほど、町名や番地など詳細な住所になり、最終的には端末まで特定します。
これらの形式はIPv4と呼ばれ、約43億通りの場所(デバイス)を特定できるようになっています。
IPアドレスの割り当て方法と調べ方
IPアドレスの割り当て方法
インターネット上で割り当てられるIPアドレス(グローバルIPアドレス)は、契約しているISP(インターネット・サービス・プロバイダ)や回線事業者などから自動的に割り当てられます。
各プロバイダは、世界中のIPアドレスを管理しているICANN(アイキャン)から、地域単位のIPアドレスを管理するNIC(ニック)を通して、必要分のIPアドレスを事前に取得します。
各プロバイダは、利用者からの接続要求の都度、個別のIPアドレスを利用者に割り当てます。
IPアドレスの調べ方
割り当てられたIPアドレスを調べるには、無料の専用Webサイトを使うのが便利です。
接続している端末で確認できる場合もありますが、iPhoneなどのモバイルデバイスでは確認できないこともあります。
IPアドレスを確認できる専用Webサイトなら、ブラウザからアクセスするだけで簡単に確認できます。
IPアドレスドットコムなら、IPアドレスをはじめ、位置情報や回線事業者なども確認することができます。
- IPアドレス(IPv4)
- IPアドレスを使っている場所
- IPアドレス(IPv6)
- ネット回線事業者
VPNに接続すると仮想IPアドレスが割り当てられる
VPNに接続すると、本来のIPアドレスとは別に仮想IPアドレスが割り当てられます。
下のイメージは、NordVPNを使ってVPN接続した際のMacでの管理画面ですが、本来のIPとは別に仮想IPアドレスが割り当てられていることが確認できます。
仮想IPアドレスは、接続したサーバーごとに全く別のものが割り当てられます。日本のサーバーに接続した場合は日本のIPアドレス、アメリカに接続した場合はアメリカのIPアドレスが割り当てられます。
接続先のサイトでは、本来のIPアドレスではなく、仮想IPアドレス(別のIPアドレス)からのアクセスとして認識します。
IPアドレスが変わることのメリット
プライバシーや匿名性の向上
VPNによってIPアドレスが変わると、プライバシーや匿名性が大幅に向上します。
本来のIPアドレスは、トンネリングや暗号化によって隠秘されるため、個人の特定が難しくなるばかりか、発信元の位置情報も偽装することができます。
また、ISP側でも監視できなくなるため、ネット利用時の行動履歴を第三者に知られることもなくなります。
ジオブロックの回避
ジオブロックとは、コンテンツ保持者が、コンテンツに対する権利を持つ特定の地域以外に対し、視聴制限をかけて視聴できないようにする措置のことです。
多くの場合、発信元のIPアドレスによって制限を行なっています。
AmazonプライムビデオやNetflixなどの大手動画配信サービスでもジオブロックが設定されており、特定の動画の視聴を制限しています。
コンテンツ視聴の権利を持つ国のサーバーに接続すれば、これらのジオブロックを回避することができます。
ジオブロックを回避できれば、日本にいながら海外限定のコンテンツにもアクセスできるようになります。
トラッキング広告の抑制
トラッキング広告とは、ユーザーの行動を追跡することで閲覧情報を収集し、ターゲティング広告や効果測定を行う広告のことです。
トラッキング広告には、主にCookie(クッキー)とIPアドレスが利用されますが、IPアドレスが変わることで、IPアドレスベースのトラッキングを抑止することができます。
また、ノーログポリシーを採用しているVPNであれば、行動履歴のログ情報が残らないため、トラッキングされるリスクもありません。
VPNサービスを選ぶ際の注意点
信頼性の低い無料VPNは避ける
すべての無料VPNサービスがダメというわけではありませんが、中には会社実態やプライバシーポリシーが不明なサービスもあります。
信頼性が低いVPNサービスを利用すると、プライバシーが保護されないばかりか、トラッキング広告などに悪用されるリスクも高まります。
また、通信が不安定になったり、利用が制限される場合もあります。
できるだけ、信頼性の高い有料VPNサービスを選ぶようにしてください。
サーバー数が豊富なVPNを選ぶ
ロケーションやサーバー数が多いVPNサービスを選ぶことも重要なポイントです。
ロケーションやサーバー数が多ければ、さまざまな国のIPアドレスが使えるのはもちろん、サーバーの負荷分散にもつながるので、より安定した通信が可能になります。
信頼性重視ならNordVPNがおすすめ
NordVPNは、高度なセキュリティと豊富なサーバーロケーションで定評のある世界トップクラスのVPNです。
マルウェアなどの脅威対策機能が利用できるほか、閲覧履歴などを記録しないノーログポリシーも採用しており、安全で匿名性の高い通信が可能です。
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まとめ
今回は、VPN接続時のIPアドレスの仕組みや、IPアドレスが変わることのメリットを紹介しました。
IPアドレスを意図的で変更できるようになると、ネット利用時のプライバシーや匿名性が格段に高くなります。
しかし、それをいいことにネットに誹謗中傷を掲載したり、法を犯すような行為は絶対にしてはいけません。
VPNは、ネット利用時のセキュリティとプライバシーを守ってくれる強力なツールであり、頼もしい相棒です。
VPNを正しく活用し、安全で快適なネットライフをお楽しみください。